付き合っていた恋人に別れを告げられた、片思いだった相手に振られたなど、どんな形でも失恋はつらいものです。時には相手のことを思って眠れないこともあるでしょう。しかし、不眠が続くと心身に負担がかかってしまいます。そこで、失恋で眠れない理由や原因、眠るための対処法、眠れない夜にやってはいけない行動などを心理カウンセラーの沼田みえ子さんに教えていただきました。失恋を乗り越えるための方法もお伝えします！

失恋で寝れないのはなぜ？眠れない原因

失恋して夜眠れなくなる原因として考えられる、代表的な心理的な理由を解説します。

夜になると感傷的な気持ちになりやすいから

人間の心は周りの環境にとても影響を受けます。

昼間は太陽の光があり明るいので気分も明るくなりやすいのですが、夜は電気があるとはいえ昼間に比べて暗がりが生じるので気持ちが落ち込みやすく、不安や寂しさを感じやすくなります。
夜になると失恋による不安や寂しさが増してしまい、眠りを妨げてしまうのです。

一人になるから

昼間は学校や職場など人とコミュニケーションを取る機会が多い環境に居ますが、夜ベッドに入ると一人きりの環境に身を置くこととなります。

一人になると自分を見つめることが多くなるため、「しつこくしたからいけなかったのかな」「私が怒ってばかりだったからだめだったのかな」と自分を責めてしまいがちです。
自分を責めると心が安定せず、眠れなくなってしまいます。

ついSNSを見てしまうから

別れた恋人や好きだった人が忘れられず、相手の現在の様子を知りたくなってしまい、ついついSNSを見てしまうこともあります。

SNSは楽しくハッピーなシーンを載せていることが多いので、失恋で悲しい気持ちの自分自身が対極にいるような気がして、惨めな気持ちになってしまいます。
このマイナスの感情も、眠りを妨げる原因となります。

失恋して寝れないときはどうしたらいい？眠りたいときに試したいこと

失恋して眠れないときでも、翌日は学校や仕事などの日常が待っています。眠れない夜が続くと心も体も疲労して日常に差し障るので、「今日こそは眠りたい！」という日もあるでしょう。そんな、眠れないけど眠りたいときにおすすめの対処法をご紹介します。

今の感情を紙に書き出す

失恋後は悲しみや不安、後悔などさまざまな感情に飲み込まれてしまっていることが多いものです。紙に文字として気持ちを書き出すと自分の気持ちを客観視することができ、感情を落ち着かせるという効果があります。

「あなたのことが大好きだったのにー！」「なんでだよー！」といった感情の発散や、「でも私、それなりに頑張ってたよね」「一生懸命恋したよね」と自分を励ます内容でもOK。

何でもいいので、今の自分の感情を素直に書き出してみましょう。

泣きたいだけ泣く

泣くという行為には、不安感や緊張感など寝つきを悪くする感情を軽減し、心をリラックスさせる効果があるといわれています。

また、感情は感じ尽くすことで手放せるので、思いっ切り泣いて悲しみを感じ切ってしまうことで失恋のつらさを少しずつ手放すことができます。

泣き疲れる頃には心もリラックスし、眠りやすくなるはずです。

アロマを使う

失恋したばかりの時期は、自分に優しくすることがとても重要です。自分自身をいたわり大切にすると、心が落ち着きやすくなります。

特に嗅覚は、本能的な行動や感情、直感に関わる大脳辺縁系に影響を与えやすいといわれているので、香りは感情をリセットするのにとても有効的な手段です。

質の良い睡眠に効果が高いとされているラベンダーやベルガモットなどのアロマがおすすめです。

どうしても寝れないときは？眠れない夜の過ごし方

眠る努力をしても眠れないときは、どのように過ごしたらいいのでしょうか。悲しみや不安を和らげる過ごし方をご紹介します。

友達に話を聞いてもらう

悲しさや寂しさなどのネガティブな感情は、誰かに「そうか、それは悲しいね」と共感してもらったり受け止めてもらうことで軽減できるものです。

つらいときは親しい友人にとことん話を聞いてもらいましょう。

笑える動画を見る

笑うという行為は心理的に余計なことを考えさせない、心を無にすることを促す効果があります。

おもしろ動画や爆笑100選などの動画を見て笑って過ごすと、失恋のつらさを無にすることができます。

ラブコメの映画やドラマを見る

失恋直後はどうしても「あんなすてき人はもう現れない」「もう恋はできない」と、未来を悲観的に捉えがちです。

心理学では「心が先、現実が後」といわれるほど、心の状態が大きく現実に影響します。

ハッピーエンドの楽しいラブコメを見て「今度はこんな恋愛をしたいな」「恋愛ってやっぱりいいものだな」と思えたら、失恋のつらさが軽減して次の恋愛にも前向きになれるでしょう。

思いっ切り泣く

前述しましたが、感情は感じ尽くすと手放すことができます。どうせ眠れないのなら、この際思いっ切り悲しみの感情に浸ってしまうのも一つの手です。

失恋ソングなどを聞きながら「これでもか！」と泣いて悲しみを感じ切ると、相手への思いが手放されて失恋から立ち直りやすくなります。

失恋して寝れないときにやらない方がいいこと

失恋が原因で眠れない夜についやってしまいがちなことの中には、実は逆効果でやらない方がいいこともあります。いくつか事例を解説しますので、やらないように気を付けてくださいね。

「眠らなきゃ！」と自分にプレッシャーをかける

「眠らなきゃいけない」と自分に圧をかけてしまうと心が緊張状態になり、余計に眠れなくなってしまいます。「失恋したんだから眠れなくて当たり前」「１、2日眠れなくてもそのうち眠れるはず」と、眠れないことを受け入れて気持ちを楽にすることも大切です。

好きだった相手のSNSを見る

眠れない夜には「今どうしているかな」と、好きだった人のことがどうしても気になるものです。しかし、SNSをチェックすると相手が楽しく過ごしている様子を目の当たりにすることになります。

失恋してつらい状態の今の自分と比較してますます落ち込んでしまうので、相手のSNSは見ないに越したことはありません。

過去のメッセージのやり取りを見る

好きだった人とのLINEやメールなどメッセージのやり取りを見ると、「あの頃は良かったなぁ。なんでこんなことになったんだろう……」と余計につらくなったり、「あぁ、こんなメッセージ送らなきゃ良かった」と自分を責めたりしてしまいます。

過去を振り返って反省したり後悔したりと自分を責める行為は心を疲弊させてしまうので、眠れない夜に過去のメッセージを見るのは避けましょう。

失恋を乗り越えるためのステップ

いつまでも失恋の悲しさを抱えているのはつらいもの。早く立ち直りたいと思うなら、次に紹介する方法をぜひ試してみてください。

１.悲しい感情を誰かに受け止めてもらう

失恋の初期は心に大きく傷ができ、血がダラダラと流れている状態です。そのような状態で前に進もうとしても余計につらいだけ。

この傷をふさぐのに効果的なのが、誰かに悲しみや寂しい感情を受け止めてもらうことです。

「うんうん、そんなことがあったんだね」「それはショックだったね」と、ただ受け止めてもらうだけでいいので、家族や友人など頼れる人に自分の悲しい感情を全て吐き出すといいでしょう。

２.自分に優しくしてあげる

感情を受け止めてもらったら、次は傷ついた自分に優しくしてあげましょう。山や海など自然が豊かな場所に行ってリフレッシュしたり、ちょっとだけ贅沢な食事を楽しんだり、スパやエステで心も体もリラックスしたり。

失恋すると自信を失ってしまうので、自分に優しくすることで「こんなにも私、ちゃんと自分を大切にできるんだな」と自己評価を上げることにもつながります。

３.この恋から学んだことを考える

傷ついた心が少し癒やされたら、失恋に向き合ってみましょう。心理学では「全ての出来事は偶然ではなく必然」と捉えます。

元彼や元カノは、あなたに何を学んでほしくて現れたと思いますか？好きな人に出会えたこと、一緒に過ごした日々、終わってしまった理由など、この恋で学べたことを考えてみるのも大切なことです。

「ありがとう」と感謝を伝える大切さや素直に気持ちを表現する大切さなど、何かしら学ぶポイントはあるはずです。この恋での学びに気付けたとき、相手との出会いに感謝することができ、失恋を乗り越えたといえる状態になります。

＼失恋から立ち直る方法は、こちらの記事もご参考ください！／
片思いで失恋したときに立ち直る12の方法！つらい気持ちから抜け出そう
 辛すぎる！大失恋からの立ち直り方とやってはいけない行動

失恋をしっかり乗り越えて、新しい恋に踏み出そう

失恋は、心にぽっかりと穴が空いたような、体の半分が引きちぎられたような、ものすごい喪失感を感じるものです。この心の痛みはとても大きく、「もうこんなつらい目に会いたくない」と無意識に心が防衛本能を発動し、恋に臆病になってしまいます。

しかし、失恋は大きな学びの場でもあります。友達の優しさに気付いたり、恋愛心理を知ったり、自分の言動を反省したりするきっかけとなります。この学びを次の恋に生かせたら、もっと素敵な関係を築くことができるはず！

失恋を乗り越えて気持ちが前向きになれたら、恋活や婚活を始めてみてはいかがでしょうか。結婚相談所では、コーディネーターに相談しながら婚活を進められるので、一人で次の恋に進むのが不安……という人にもおすすめです。

ゼクシィ縁結びエージェントでは無料カウンセリングを実施しています。婚活について詳しく知りたい場合は、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

取材・文／仲西なほ子

【監修】
沼田みえ子さん
カウンセリングサービス所属。心理カウンセラー。国際線CAとして７年間勤めた後、結婚。自身の夫婦問題に心理学を取り入れ、恋人時代よりもラブラブな関係を手に入れた経験を多くの人にも生かしてもらうために、2012年よりカウンセラーとして活動を開始。浮気問題、失恋、婚活などパートナーシップの問題を中心に6000件を超えるカウンセリング実績を持つ。現在はカウンセリングのみならず、カウンセラー養成スクールでの講師や講演、WEB記事寄稿など幅広く活躍している。
心理カウンセラー沼田みえ子オフィシャルサイト
https://numatamieko.com/