- ストレスを発散する効果
- 「これでいい」と自分を受容する効果
- 怒りを発散する効果
- 行き詰まりを解消する効果
- モチベーションがアップする効果
- 寂しいから
- 悔しいから
- 悲しいから
- 感動する映画・動画・ドラマを見る
- 信頼できる人に話を聞いてもらう
- 泣いてもいい環境を探す
- パフォーミングアートに触れる
- 大切な人に感謝する
人には無性に泣きたくなる時があります。しかし、思ったように涙が出ないという人もいるのではないでしょうか。辛いことや悲しいことがあっても、泣いてはいけないと思い込んでいる人もいるかもしれません。そんな時、知っておきたいのが「涙がもたらす効果」。泣くことのメリットを知れば、泣いてもいいと自分に許可できる可能性があります。そこで、心理カウンセラー帆南尚美さんに、涙がもたらす心理的な効果について伺いました。なかなか泣けない時におすすめの“涙活(るいかつ)”方法もご紹介します。
泣きたい時は泣けばいいって本当?泣くことの効果を解説
涙を流すと、なんだかすっきりしたり、ホッとしたりということはありませんか?
涙を流す時、交感神経と副交感神経、2つある自律神経のうち、副交感神経が優位に働きリラックスした状態をもたらすといいます。
それでは、涙を流すことで、具体的にはどんな心理的効果が得られるのでしょう。
ストレスを発散する効果
日常的に言いたいことややりたいことを抑え我慢をしていると、ストレスが溜まります。
ストレスがある時、私たちは緊張状態で、体や心もこわばってしまいます。思い切って泣くことで、心はフッと緩み、緊張がほぐれてストレスが発散されたように感じます。
「これでいい」と自分を受容する効果
「こうすべき」「こうあらねばならない」など、「すべき思考」で自分の気持ちや行動をコントロールしたり、罰しようとしたりする人は多いもの。そんな時、私たちは「今の自分ではダメだ」と自分で自分に緊張感を与えているともいえます。
泣くことによってプレッシャーを感じた自分のハートに、「これでもいいか~」とホッとするような気持ちをもたらすことができるようです。
怒りを発散する効果
生きていれば、日常の中で不快な出来事にイライラ、モヤモヤしたりする瞬間があります。
怒りの感情の真っただ中にいると戦闘モードを抑えるのはなかなか難しいものですが、涙することで怒りから少し距離を置くことができます。すると、「まあいっか」などと、起きた出来事がどうでもよくなることもあります。
行き詰まりを解消する効果
問題が起きてしまうと、目の前に壁が立ちはだかっているような感覚になることがあります。問題が大きいほどその壁は乗り越えがたく、前に進めなくなるような気持ちになってしまいます。
そんな時、私たちの視点は問題に近すぎる位置にあるのかもしれません。しかし、泣くことで気持ちが緩むと、問題から距離ができ視野が広がります。
すると、それまで見えていなかった考え方や解決方法があったことに気付きます。また、涙によってリラックス状態になることで、直感が働きやすくなり、いつもは思い付かないようなアイデアが浮かぶこともあるかもしれません。
モチベーションがアップする効果
気持ちが沈んでいる時は、自分をちっぽけに感じてしまい、何かやろうとしても「きっとうまくいかない」と思いがち。泣くと気持ちが軽くなったり、解放されたような気持ちになったりします。
すると、物事に対する考え方も柔軟になり、前向きな思考へと向かっていきます。思い切って泣いてみることで、「もしかしたらうまくいくかもしれない」「やってみようかな」という気持ちになるかもしれません。
無性に泣きたくなる理由
ここでは感情が動いた時に流す、「情動の涙」について解説します。
寂しい時、悔しい時、悲しい時、思わず泣いてしまいたくなる時があります。そんな感情になるのは、私たちが本来持っている心の性質やニーズが影響しているようです。
寂しいから
私たちは本来、人と繋がりたいというニーズを持ち、心には、人と気持ちが通じ合ったときに喜びを感じる性質があります。
繋がりとは逆の状態、つまり、大切な人に理解してもらえなかったり、助けてもらえなかったり、独りぼっちだと思ったりした時、私たちはやりきれない寂しさを感じてしまいます。
悔しいから
自分なりに努力しているはずなのになかなか成果が出ない、職場や周囲の人になかなか認めてもらえない……、そんな時私たちは無力感を抱いてしまいます。
また、目の前に苦しんでいる人がいて助けられなかった時も、役に立てなかったことを悔やむでしょう。そんなとき自分をふがいなく感じて涙を流すこともあります。
いわゆる悔し涙ですが、とても頑張っているからこそ流す涙ともいえます。
悲しいから
恋人との別れや仕事を失った時など大切な人を失ったり、悲しいことがあって傷ついたりする時、私たちはあらがいがたい喪失感に包まれてしまいます。深い悲しみによって、涙が出てしまうことがあります。
泣きたい時どうすれば泣ける?涙活6選
涙を流すと私たちのさまざまな感情が癒やされるようですが、簡単に泣けないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、「涙活」という、意図的に泣いて感情を解放できる方法があります。おすすめの涙活をチェックしてみましょう。
感動する映画・動画・ドラマを見る
最も手軽にトライできるのが、映画や動画、ドラマなどで感動的な作品を観ることです。自ら行動を起こすハードルも低く、見ているだけで感情が動く映像は、つらくすぎて身動きできない時にもおすすめです。
最近はインターネットやSNSで「泣ける動画」を検索することも容易です。できれば、日頃から動物、恋愛、スポ根など自分の涙のツボにフィットする作品を見つけておくといいでしょう。
信頼できる人に話を聞いてもらう
頑張りすぎていたり我慢していたりすると、私たちは自分に対して「まだ頑張りが足りない」などとプレッシャーをかけて、いっぱいいっぱいの状態になっています。
そんな時は、親しい友人やカウンセラーなど信頼できる人に話を聞いてもらうのも効果があります。
気持ちに寄り添ってもらえたと感じられれば、悩み相談ではなく、ただ楽しく会話をしているだけでも心がほぐれて、思わず涙がほろりと出る時もあるでしょう。
泣いてもいい環境を探す
大人になったり、社会的な責任を負ったりすることで、感情的になるのを抑え、涙することを我慢してきたという人も多いのではないでしょうか?特に周囲の目が気になると余計に泣けなくなるものです。
そんな時は安心して泣ける環境に身を置くのがおすすめ。せっかくなので、しくしく泣くよりも思い切り声を上げて泣いても大丈夫なように、例えばカラオケボックスや海、車の中などを選んでも。みんなが泣いているような涙活イベントを利用したり、一人旅に出て知らない場所に行って泣くというのもよいでしょう。
パフォーミングアートに触れる
音楽や舞台など、パフォーミングアートに触れてみるのもおすすめです。コンサート、オペラやミュージカルはライブ感とともに演者のパワーを直接感じることができる空間。歌声や演奏、演技といったパフォーマンスに感情が揺さぶられ、思わず涙が込み上げることもあるかもしれません。
大切な人に感謝する
人は自分の中にある愛情や優しい感情に触れると幸福感に包まれ、気持ちもふんわり緩みます。
なかなかハードルが高いかもしれませんが、大切な人に感謝の手紙を書いてみたり、気持ちを伝えるシーンを想像したりするのもおすすめです。
ポイントは、ただ「ありがとう」と感謝するだけでなく、「あの時こんなことをしてくれてとても感謝しています」といったように、できるだけ具体的なエピソードを思い出すこと。より、気持ちが溢れ、涙が出やすくなるでしょう。
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泣きたい時に泣けないのはなぜ?
いざ泣こうと思っても、なかなか涙が出ない時もあります。泣けない理由にはいくつかありますが、次のようなケースが考えられます。
・普段から感情的になることを抑えている
・泣くことに対して「弱いこと」などと泣くことにマイナスなイメージを持っている
こういった状態だと無意識に泣くのを禁止している可能性があります。多少なりとも自覚がある場合は、涙の効果や泣くことのメリットを思い出し、「泣いたっていいんだ」と自分に許可してあげましょう。
また、仕事や家事に追われて著しいストレスを抱えている状況が続いてしまうと、人はなかなか泣けなくなるものです。
涙活方法でもお伝えしましたが、まずは心や体がリラックスする状態をつくるのが先決。周囲の目を気にせず泣ける環境に身を置くということにもトライしてみましょう。
無性に泣きたい時は泣けばいい!泣くことで自分を大切に
「仕事や育児、介護などで忙しい日々を送る人がとても多い現代。ストレスがある状態を当然のように感じ、頑張りすぎている人もいるのではないでしょうか。
人によっては、大切な人に笑顔になってほしい、喜んでほしいと思うからこそ、ついつい無理をしてしまっているかもしれません。それはとても素晴らしいことですが、自分のことが後回しになっていませんか?」と心理カウンセラーの帆南さん。
自分自身も大切にし、ストレスをかけないようにすることで、心と体も整い、より幸せを感じられるはずです。泣くことは、自分自身の心をリラックスさせる、セルフケアの一つ。つらい時悲しい時はもちろん、ちょっとでも泣きたい気分なら、自分のためにぜひ思う存分泣いてみてくださいね。
素直に涙を見せられるようなパートナーとの恋愛や結婚を望むなら、恋活や婚活を始めるのもおすすめ。婚活のプロが、結婚相手との出会いをサポートしてくれるゼクシィ縁結びエージェントでは、婚活に関するカウンセリングを実施中。無料で相談できるので、気軽に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
取材・文/小松ななえ
【監修】
帆南尚美さん
カウンセリングサービス所属・心理カウンセラー
大学卒業後30年間、外資系IT企業に勤務。40代後半になって本格的に自分の心と向き合い始め、心理カウンセラーに転身。仕事は好きだが対人関係や恋愛・夫婦関係がうまくいかない、などの問題を精力的にサポート。男性/女性心理、対人心理の分析により、対処法を一緒に考えていくカウンセリングスタイル。「前向きになれる」「自分の成長が実感できる」などの声が多数。心理学を身近なシチュエーションでわかりやすく解説する講座や講演も多くに支持を得ている。
公式ブログ:https://honaminaomi.blog.jp/
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