恋愛心理学は婚活にも有効？婚活ステップ別におすすめの心理学を伝授！

婚活では、いかにお相手の信頼や好意を得られるかどうかが大切ですから、恋愛心理学を基にしたコミュニケーションのテクニックを知っておいて損はありません。

この記事では、気になるお相手から信頼や好意を引き出すためのテクニックについて、心理カウンセラーの竹内えつこさんに解説していただきました。婚活にも応用してほしい恋愛心理の効果やテクニックを、お見合いやデートなどのステップ別にご紹介します。

まずは、気になっているお相手に興味を持ってもらうために活用できる心理的なテクニックをご紹介します。

ウィンザー効果

人は本人が言った情報よりも、第三者から聞いた情報を信じやすいといわれています。この心理を「ウィンザー効果」といいます。

例えば、恋愛では、自分で長所をアピールするよりも、共通の友人に「あの子は優しい子だよ」「あなたと合うと思う」などと伝えてもらうのが効果的です。

婚活では、本人が作ったプロフィールを読むよりも、マッチングコーディネーターに紹介されて聞いたことの方が印象に強く残ることもあります。プロフィールに「友人からは○○だと言われている」と第三者の評価を加えたり、マッチングコーディネーターにコメントをお願いしたりしてみましょう。

シンクロニシティ

シンクロニシティとは、「意味ある偶然の一致」と定義される言葉で、心理学者のユングが提唱した概念です。

「気になる人に街で偶然会った」「連絡しようと思っていた相手から、ちょうど連絡が来た」。最初は偶然と思っていても、何回が続けば「運命かもしれない」と思う心理が働きます。

婚活でも、偶然の一致を演出することで、「何かご縁があるのかもしれない」と思ってもらえる可能性が高まります。まずは、プロフィールに出身の大学や共通の趣味などがあれば、「偶然、私も同じです」とアピールしてみましょう。メッセージを返信するときに「ちょうど○○さんにご連絡しようと思っていました」と添えるのも効果的です。

単純接触効果

単純接触効果とは、接触回数を増やすことでお相手に心を開いてもらえる、好意を得ることができるというものです。できればお相手に会うことが望ましいですが、初デートまでのメッセージのやりとりなどでも使えるテクニックです。

婚活では、お相手に自分の存在を意識してもらうために、マメにメッセージを送ってみましょう。ただし「おはよう」「お疲れさま」「おやすみ」などのあいさつを定型文のように毎日送るのはお相手に面倒だと思われたり、既読スルーされてしまったりすることもあるので、注意が必要です。

また、連絡する期間を2週間以上空けると、好感度が下がったり、忘れられてしまう可能性が高まってしまいます。お相手に自分を印象付けたいのであれば、最低でも2週間に１回はメッセージを送るようにしてみましょう。

お互いに気になるお相手と出会えたら、次のステップは初デートやお見合いです。

初めて会うことになるデートやお見合いで、「第一印象が大切」といわれる理由にも、心理学の考え方が関係しています。心理学の考え方を生かした、初デートやお見合いで意識したいコミュニケーションのコツをご紹介します。

初頭効果

初頭効果とは、人が初めて与えられた情報に強く影響される心理のことをいいます。

人間関係では、初めて会ったときの第一印象が強く残って、その後の関係に影響します。つまり、第一印象で「素敵な人だな」と思ってもらえれば、その後も良い印象のままお付き合いできますし、逆に、第一印象があまり良くないと挽回するのは難しくなってしまうのです。

人の第一印象は数秒で決まるといわれています。デートやお見合いなど、初めて顔を合わせるときは、プラスの第一印象を持ってもらえるよう、清潔感のある身だしなみと、落ち着いたしぐさや明るい笑顔を心がけましょう。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、1971年にアメリカの心理学者・アルバート・メラビアンによって発表されたもので、人が初対面の時にどの感覚を使って相手を判断しているのかをパーセンテージ（%）で表したものです。

メラビアンの法則によると、人は第一印象を視覚情報55%、言語情報7％、聴覚情報38％で判断していると言われています。

第一印象は数秒で決まってしまうといわれていますし、その中で視覚情報が50%以上も占めているのなら、見た目でお相手に好印象を与える必要がありますよね。

清潔感のある身だしなみはもちろん、表情や立ち居振る舞いなど、自分がお相手にどのように見られるかを意識してみましょう。

ミラーリング

さらに親近感を持ってもらうために試してほしいのが、ミラーリングです。人は同じ動作をされたり、同じような言葉を使ったりされると、無意識に「自分に近い」と認識し、親近感が湧きます。これをミラー効果といい、鏡に映したように真似するテクニックをミラーリングといいます。

例えば、お相手がコップを触ったら自分も触る、飲食するタイミングや速度を合わせる、お相手が笑ったら合わせて笑う、口癖に気付いたら同じ言葉を使ってみるなど、お相手のしぐさや言葉をまねしてみましょう。

また、お相手とのメッセージのやり取りにも、ミラーリングのテクニックは使えます。お相手が使う絵文字やスタンプをまねる、お相手が短文の場合は自分も短文で返す、口調や返信にかかる時間もお相手に合わせるなど、ミラーリングのテクニックを使うことでお相手から「この人とは気が合うな」と思ってもらいやすくなるのです。

お付き合いの浅い段階でも簡単にできますから、ぜひ会話に取り入れてみてください。

2回目以降のデートでは、積極的に親しくなるアプローチをしたいですよね。そんなときに実践したい恋愛心理のテクニックをまとめました。

つり橋効果

つり橋を使った実験で有名な「つり橋効果」は、緊張や不安で心拍数が上がるのを、恋のドキドキと錯覚することで、恋愛感情が湧きやすくなるとされる心理効果です。

お相手ともっと仲良くなりたい、好意を持ってほしいというときは、心拍数が上がりそうなことを一緒にするのもおすすめです。ホラー映画を観る、ジェットコースターに乗る、スポーツ観戦をするなど、お相手の興味に合いそうなシーンを探してみましょう。

ただし、つり橋効果はドキドキがなくなると冷めるのも早く、長続きしないといわれています。またつり橋効果は万人に効果が期待できるものではありません。あくまでもきっかけの一つとして、利用してみてください。

認知的不協和

自分の考えや行動に矛盾がある状態や、それによって無意識に感じる不快感を、心理学で認知的不協和といいます。そして、人は矛盾があると無意識につじつまを合わせようとして、自分の認知や行動を変えようとするとされています。

例えば、「特に気になっていない人を助ける」行動には少し違和感を覚えるが、「気になる人を助ける」行動には納得いく、という人も多いのではないでしょうか。

これを利用して、恋愛や婚活の場面では、お相手に助けてもらうシチュエーションを演出するのがおすすめです。お相手の世話を焼くよりも、負担にならない程度のちょっとした頼み事をしてみましょう。頼み事に応えているうちに、好意を感じてくれるかもしれません。

ただし、これはあくまでもお相手に好意を持ってもらうためのテクニックです。
いつまでもお相手に頼ったり、ワガママを言ったりすると、好感度が下がりかねないので注意しましょう。

ゲインロス効果

「普段は頼りない人が、はっきり意見を言った」「怖い印象だったのに、動物には優しかった」など、ギャップを感じた瞬間にドキッとしたことはありませんか？

ギャップにドキッとするような心理は、心理学ではゲインロス効果と呼ばれます。ゲインロス効果とは、印象がマイナスからプラス、あるいはプラスからマイナスに変わる振り幅が大きいほど、相手の印象への影響が強くなる心理効果のことです。

恋愛や婚活でも、ギャップのある言動で好意を持ってもらうきっかけをつくることができます。

「１回目のデートでは緊張した表情だったのに、2回目以降は笑顔が増えた」「子どもっぽい話題が多いと思っていたのに、こちらを気遣う言葉をかけてくれた」など、自分の印象をマイナスからプラスに変える言動を演出してみましょう。

またいつもはパンツスタイルの人がデートの時はスカートをはいてみる、髪型やメイクをガラッと変えるというのもお相手にギャップを感じさせることができます。

ただし、やりすぎは逆効果になります。大きすぎるギャップを見せるとお相手は「最初はうそをついていたのかな？」とあなたのことを信頼できなくなります。
あくまでも第一印象を良くするためのギャップを見せる程度にとどめておきましょう。

最後にご紹介するのは、好意を持ったお相手にアプローチしたいときに生かせる、恋愛心理学を基にしたテクニックです。

よいお付き合いを続けていきたいというときにも、ぜひ意識してみてください。

返報性の原理

誰かに何かをしてもらうと、自然とお返しをしたくなる。こんな気持ちになるのは返報性の原理が働いているからです。恋愛に限らず、人は好意を見せられると、同じだけ好意で返したくなるのは自然な心理といえるでしょう。

自分が好意を寄せているお相手には、受け身にならず、できるだけ好意を伝えるようにしましょう。「好きです」と言葉にできなくても、お相手について多めに質問するだけでも「あなたに興味があります」と伝わりますし、目が合ったときに笑顔でいるようにするだけでも好意は伝わります。

「髪型、変わった？」「今日は雰囲気が違うけど、何かあった？」など、お相手の変化に気づいたりお相手を気にかけている言葉をかけてあげたりすることでも、お相手に好意を伝えることができます。

ジョハリの窓

気になるお相手にアプローチしたいときには、お相手のことを褒めるのも効果的です。心理学を応用するなら、ジョハリの窓を知っておきましょう。

ジョハリの窓とは、以下のような4つの窓に例えられた分類を使って自己分析をし、自己理解を深めるためのツールです。

・自分も他の人も知っている面
・自分も他の人も知らない面
・自分は知らないが、他の人は知っている面
・自分だけが知っている面

中でも、３つ目の「自分は知らないが、他の人は知っている面」を褒めるのが効果的です。

「あなたには当たり前かもしれないけれど、こういうところがすごいと思う」というふうに、お相手がまだ気付いていない長所を見つけて伝えることを意識してみてください。褒められてうれしいだけでなく、「私のことをよく理解してくれている」と喜んでもらえるでしょう。

アイ・コンタクト

視線と視線を合わせるアイ・コンタクトも、お相手に好意を伝えることのできるテクニックの一つです。よく目が合うのは、相手が気になって見ているからです。つまり、視線と視線が合うことには、「あなたに興味がある」という意味があるのです。

デートを重ねる中で、たくさん目が合うようになれば、お互いに「気になる存在」から「好意を持ってくれている」と意識が変わっていく可能性も上がります。

会話をしているときに目が合ったら、すぐ目をそらさず、「少し長いかな」というくらいの数秒間、アイ・コンタクトを取ってみてください。お互いに気になるお相手なら、アイ・コンタクトを繰り返すうちに、ふたりの親密度がアップするはずです。

ここまでご紹介したような恋愛心理学を基にしたテクニックを試してみても、良い印象を与えられなかったり、お相手が負担に感じてしまったりしては意味がありません。

お相手が自分に興味を持ってくれているかどうか、好意的かどうかを見極めるためには、表情やしぐさに表れる「脈あり」サインが役立ちます。お相手の次のようなサインを出しているかどうか、さりげなく観察してみてください。

よく目が合う

目が合うことが増えたら、お互いに相手に興味があることのサインです。ただし、目が合ったときに眉を寄せているのは不快感の表れかもしれません。目が合ったときお互いに、自然と笑顔になることが多いなら、脈ありサインと考えてもよいでしょう。

ただし中には「見られることが恥ずかしい」と思って目をそらしてしまう人もいます。必ずしもお相手と目が合わなかったからといって好意を持たれていないとは言い切れません。

真っすぐ向き合っている

気になるお相手との会話では、「話をもっと聞きたい」という意識が働きます。そのため、正面からまっすぐ向き合った姿勢になることが多くなります。

お相手の膝がこちらを向いている、前のめりの姿勢になって話を聞いてくれる、といった状態なら、興味や好意を持ってくれていることを示しているといえます。

また向かい合って座ったときにお相手の足が当たる場合は、あなたに近づきたい、触れたいと思っている心理を読み取ることができます。

口数が多くなる

人は好意を持っている相手には、「自分のことをもっと知ってほしい」「相手をもっと知りたい」と思うものです。そのため、会話でも口数が増える傾向があります。

話の内容は、ただの世間話のこともありますし、自分のことばかり話してしまうこともありますが、よく話すのは相手に興味がある証拠。

人は自分にたくさん話をしてくれた人より、自分の話を聞いてくれた人の方を信頼するといわれています。
お相手から信頼してもらうためにも、お相手の話をしっかり聞くように意識してみましょう。

反対に、質問が増えるのは「あなたのことをもっと知りたい」というサインで、これも脈ありサインの一つになります。

この他、「脈ありサイン」について気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
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恋愛や婚活に生かしたい心理効果やコミュニケーションのテクニックから、覚えておきたい脈ありサインまでをご紹介しました。

心理学と聞くと難しい感じがするかもしれませんが、意外と簡単に試せるものばかりです。「どんなふうに話したら仲良くなれるのかな」と悩んでいるときにもきっと役立つはずです。少しずつ取り入れて、コミュニケーション上手を目指しましょう。

お見合いやデートでのコミュニケーションに悩んでいるなら、結婚相談所に相談するのもおすすめです。リーズナブルな料金体系ながら、丁寧なカウンセリングを受けられるゼクシィ縁結びエージェントなら、婚活や結婚に関するお悩みも相談できます。まずは、気軽に受けられる無料カウンセリングを体験してみてはいかがでしょうか。

取材・文／相川聡子

【監修】
竹内えつこさん
心理カウンセラー。パートナーシップコンサルタント。夫婦、恋愛、パートナーシップの悩みを得意分野とする。大学時代に心理学を学び、卒業後はバーテンダー、アロマセラピスト、アロマ講師、カウンセラーという異例の職歴を持つ。東京・恵比寿のカウンセリングルームで、潜在意識にアプローチするヒプノセラピーを用いた提案型カウンセリングを行っている。自身の経験を基にした、的確なアドバイスに定評がある。

公式ブログ：https://counseling-sou.com/blog/