結婚相談所において会員登録のファーストステップである「プロフィール記入」。個人情報に触れる多くの設問がある中、特に「年収」という項目にはデリケートな反応を示す人が多いのではないでしょうか。もしかしたら「年収が低いと相手が見つからないのではないか」と不安を感じている人もいるかもしれません。本記事では日本人の平均年収はどのぐらいか、また結婚相談所において「年収」がどのように扱われるかについて、恋愛・結婚コンサルタントの菊乃さんと共に考えていきます。

日本における男女の平均年収は?

日本における男女の平均年収は?

まずは男女それぞれの平均給与の金額について見ていきましょう。職種や企業規模により事情は異なりますが、「自分の平均年収が平均と比べてどうか」を確認する一つの参考となりそうです。

国税庁のデータである「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、年代別の平均給与金額は男性の場合、20~24歳で平均291万円。そこから右肩上がりで上昇し、40歳では平均600万円ほどになります。
一方、女性の場合は「役職の有無」「出産、育児などによるブランクの有無」などにも左右されますが、20~24歳で平均253万円。その後5年ほどで平均額が349万円に届き、以降340万前後のまま横ばいに推移します。



■20~40代の年代別平均年収

■20~40代の年代別平均年収
男性 女性
20~24歳 291万円 253万円
25~29歳 420万円 349万円
30~34歳 485万円 338万円
35~39歳 549万円 333万円
40~44歳 602万円 335万円
45~49歳 643万円 346万円


※データ出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」(第14図)年齢階層別の平均給与

結婚相談所の登録会員の平均年収

結婚相談所の登録会員の平均年収

次に、結婚相談所に登録している会員の平均年収はどのようになっているのでしょうか。例として「ゼクシィ縁結びエージェント」の会員プロフィールを基にし、男女別に見ていきます。

男性のボリュームゾーンは401万~600万円の42%、次いで201万~400万円の27%、601万~800万円の19%と続きます。女性の場合は201万~400万円が最も多い50%、次いで401万~600万円の30%、200万円以下の12%となっています。

こちらのデータは年齢別ではありませんが、ボリュームゾーンを国税庁のデータと照らし合わせると、25歳~39歳男性の平均年収とほぼ重なり、女性の平均年収は年代を問わずボリュームゾーンの範囲内に収まっている、といえそうです。



■「ゼクシィ縁結びエージェント」の会員の年収分布

■「ゼクシィ縁結びエージェント」の会員の年収分布

※データ出典:ゼクシィ縁結びエージェントの会員プロフィールと実績

結婚相談所に“年収の足切り”はある?

結婚相談所に“年収の足切り”はある?

結婚相談所への登録において、年収による「足切り」はあるのでしょうか。結論から言うと「結婚相談所による」です。

一般にはプロフィール作成時に源泉徴収票の提出が求められ、「昨年度の年収」が参照されます。その上で年収の額を問わず登録できる結婚相談所がある一方、「年齢×1万円」のように、明確な基準を設けている所もあります。

ただし「年収による足切り」といってもその基準は結婚相談所によって異なり、例えば「年齢が若い」「相手の婚姻歴や年齢に対する許容範囲が広い」など、年収の低さをカバーできる要素があると見なせば、条件を多少緩和するケースもあるようです。

ちなみに年収について厳しく問われるのはほとんどが男性です。女性の年収については基準が緩やかな傾向で、一部の結婚相談所では女性の年収自体を非公表としている所もあります。これは女性側が男性の年収を重視するのに対し、男性側は女性の年収をあまり重視していない、というニーズの差の表れといえそうです。

足切りが心配な人は、あらかじめ「年収による足切りがない」結婚相談所を選びましょう。

結婚相談所で年収の低さはマイナスになる?

結婚相談所で年収の低さはマイナスになる?

率直にいえば「年収の低さ」は婚活においてハンデになる可能性が高いです。しかし「年収が低い」というだけで、検討対象から外されていた10年前と比べ、現在はさまざまな角度から複合的に結婚相手を検討するようになり、「低年収=即NG」とは言い切れなくなってきました。

例えば「婚姻歴の有無を問わない」「10歳上までOK」、男性であれば「婿養子OK」など、相手を許容する範囲が比較的広く寛容である場合、年収を問わず検討対象となるケースがあります。また「年齢が若い」「家事能力に秀でていて、家事全般を引き受けることができる」など「年収以外の強いアピールポイント」がある場合は、年収の低さが大きなハンデにならない可能性があります。

前述したように女性は男性と比べ、年収に求められる要件がソフトな傾向にあります。「それでも心配」という場合は、女性の年収を非公開としている結婚相談所を選ぶのも手です。

「年収」という武器を使わずに戦うのであれば、それ以外の武器を徹底的に磨き上げる覚悟が必要でしょう。例えば体形やヘアスタイル、身だしなみ、ファッションセンス、家事能力などは努力次第で底上げ可能な要素です。「自分の価値を上げるために、今何ができるのか」を考え、向上させる姿勢が大切です。

結婚相手に求めることランキング

結婚相手に求めることランキング

近年、結婚相手にはどのようなことが求められているのでしょうか。内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」の結婚相手に求める・求めた条件のうち、男女の上位の項目は下記のようになっています。

価値観の近さ

多くの人が共通して求めていたのは「価値観の近さ」でした。アンケートでは「価値観が近い」と回答した男性が59.2%、女性62.7%、「金銭感覚が近い」と回答した男性が21.7%、女性29.5%になりました。

結婚生活では、ふたりの意見を擦り合わせる状況が多く発生します。例えば「住む場所をどこにするか」「家事の分担をどうするか」「家計の管理をどうするか」などは、結婚生活の初期段階に発生する「意見のすり合わせを要する場面」でしょう。

関係がさらに進むと「家を買う」「子どもの教育方針を決める」などお金に関わる大きな決断をする場面も出てきます。この時、ふたりの価値観があまりに懸け離れていると、落としどころを見つけるのに苦労することになります。逆にいえば、価値観の近い相手であれば比較的スムーズに大きな決断ができるといえそうです。

一緒にいて落ち着ける

次いで多かったのが「一緒にいて落ち着ける、楽しい相手であること」です。アンケートでは「一緒にいて落ち着ける、気を使わない」と回答した男性が51.1%、女性が64.4%。「一緒にいて楽しい」と答えた男性は49.4%、女性が49.7%でした。

この先の長い人生を共に歩むパートナーとして「ホッとできる、楽しい」相手であることは、代え難い要素です。お互いの思いを言葉にせずとも感覚で理解し合い、楽しいことは共に楽しみ、つらさは半分ずつ背負い合う。そんな居心地の良さや心強さを与えてくれるパートナーと巡り会いたいと願う人が多いようです。

ルックスが好みである/恋愛感情を抱ける

一方で、結婚生活にときめきを求める人も少なくないようです。アンケートでは「容姿・ルックスに好感が持てる」と回答した男性は25.4%、女性が22.1%。「恋愛感情がある」は男性23.7%、女性が27.9%となっています。

一部では「たとえけんかをしても、相手が好みのルックスであれば最終的には許せてしまう」という声も見られました。この先の長い人生を考えたとき、つい「思いを共有できる」「フィーリングが合う」という部分を重視しがちですが、「ときめく相手と暮らす」こともまた、結婚生活をポジティブなものにする大切な要素の一つです。

満足のいく年収

男女差が最も大きかったのが「満足のいく年収」についてでした。アンケートでは「満足のいく年収」と回答した男性は3.6%、一方女性は32.6%にのぼりました。これについては「ほぼ女性の声」といってもよさそうです。

国税庁のデータからもわかる通り、女性の年収は男性のそれと比べ、まだまだ及ばないのが実情です。また女性は出産、育児で仕事から離れる可能性を見据えつつ「いつ収入が絶たれるかわからない」という不安をどこかに抱えています。

一方、結婚生活を重ねるにつれ、子どもに満足な教育を与える、長く暮らせる住まいを手に入れる、などお金をかけるべき機会は必ず訪れるもの。「パートナーの収入に不安がないこと」を条件に挙げる女性が多くなるのは、仕方のないことなのかもしれません。

家事能力がある・家事分担できる

アンケートでは、「家事能力がある・家事分担できる」と回答した男性は17.4%、女性は27.8%という結果に。男性より女性の声が上回っている、という点で当世的なランクインといえるでしょう。

一般に共稼ぎ世帯が多い中、「家事はシェアする」という方針の夫婦も増えてきました。しかしシェアの比率はまだまだ女性側が圧倒的に重いケースが多いようです。

シェアの不均衡を心配する女性側が、男性に家事スキルを求める面もあるでしょう。しかしそれ以上に「男性も当事者意識を持って家事に取り組んでほしい」という、女性からの期待もうかがえます。

※データ出典:内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」

収入以外のアピールポイントを磨く努力を忘れずに

収入以外のアピールポイントを磨く努力を忘れずに

自分の年収の低さを気に病み「結婚相談所では相手を見つけることができないかもしれない」と不安を覚えている人もいるかもしれません。しかし逆にこちらの条件を受け入れてくれる人に絞って相手を探せる点で、結婚相談所は優れているともいえます。

近年では結婚相手に求めるものも多様化してきました。まずは収入以外に相手にアピールできる点がないかを考え、そこを徹底的に磨くよう努力することが大切です。まずは婚活への第一歩を踏み出してみましょう。

ゼクシィ縁結びエージェントでは、婚活に関する無料カウンセリングを実施中です。婚活を始めるにあたって不安があれば、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

取材・文/吉田美奈子

【監修】
菊乃さん
恋愛・婚活コンサルタント。マンツーマン相談の他、大手結婚相談所や行政機関で婚活セミナー講師を行う。29歳まで手抜きを個性と取り違えたダメ女だったが、低レベルからの女磨き・婚活をつづったブログが「わかりやすい」と話題を呼び、2011年から恋愛・婚活コンサルタントとして活動。相談者の約4割は一度も交際経験がない女性。著書に『あなたの「そこ」がもったいない。』(すばる舎)、『なぜか愛される女がしている73の習慣』(双葉社)など。
公式サイト:https://www.bestpartner-prj.jp/

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