- 両親が不仲
- いつまでも親離れできない
- 大人になりきれない
- 一人暮らしをすすめる
- 金銭の援助をしない
- 家事を教える
- 老後が心配と訴える
- 理由を問い詰める
- 婚活費用を負担する
- 人と比べる
「息子が結婚しないのはどうして?」と悩んでいる人へ。結婚しない息子に対する対処法について、恋愛関係のテーマに詳しい心理カウンセラーの竹内えつこさんにお話を伺いました。現代における独身男性の割合や、恋人歴ゼロの男性の割合などを国の調査結果をもとにデータで紹介し、結婚しない理由についても具体的に解説します。さらに結婚しない息子に対して親ができること、親がやってはいけないことなども詳しくアドバイスします。結婚しない息子を気長に見守っていけるようこの記事を役立ててください。
未婚や恋人がいない男性はどれくらいいるのか?
結婚しない男性が増えていると言われますが、未婚男性は実際にどれくらいいるのでしょうか?内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」のデータをもとに紹介します。
20代男性 84.9%(うち恋人がいる人19.1%)
30代男性 43.3%(うち恋人がいる人7.8%)
40代男性 33.0%(うち恋人がいる人4.6%)
50代男性 29.9%(うち恋人がいる人3.2%)
60代男性 23.4%(うち恋人がいる人1.9%)
30代男性の未婚率が4割以上、40代が3割以上、50代が3割弱となっており、10人に3人は50代になってもシングルという結果になっています。
次に、これまでの人生の中で恋人と付き合ったことがない男性はどの程度いるのでしょうか?同じく内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」のデータをもとに紹介します。
20~39歳の独身男性 37.6%(他に、答えたくない・覚えていない人16.7%)
40~54歳の独身男性 23.5%(他に、答えたくない・覚えていない人27.5%)
55~69歳の独身男性 19.8%(他に、答えたくない・覚えていない人25.3%)
人生において恋人と付き合ったことがない20代、30代男性が4割近くいます。また、40~54歳までの男性の中でも2割以上の人は付き合ったことがないと回答しています。他に、アンケート項目の中に恋人の数について「答えたくない・覚えていない」と答えた人が2割~3割程度いることから、人生において恋愛経験が一度もない男性が相当数いると言えるでしょう。
以上のことから、結婚するかしないか以前に恋愛でつまずいている人が多いということがうかがえます。一般的に恋愛から結婚へという流れが多い中、恋愛スキルがあれば必ずしも結婚できるワケではありませんが、結婚するためにはある程度の恋愛スキルが必要なようです。
昔のように「結婚=お見合い」という時代ではなく選択肢が広がった現代において、恋愛経験ゼロで結婚するのは難しいかもしれません。とはいえ、結婚している男性の中にも恋愛経験ゼロと答えた人が1割未満いることから、結婚と恋愛を分けて考える人も一定数いるようです。
息子はなぜ結婚しないのか?
結婚しない理由は何なのでしょうか?同じく内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」のデータをもとに紹介します。
<20~39歳独身男性>
結婚に縛られたくない、自由でいたいから 37.0%
結婚するほど好きな人に巡り合っていないから 36.2%
結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから 36.0%
今のままの生活を続けた方が安心だから 31.7%
結婚という形式に拘る必要性を感じないから 28.6%
<40~69歳独身男性>
結婚に縛られたくない、自由でいたいから 44.1%
結婚するほど好きな人に巡り合っていないから 43.2%
結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから 40.9%
今のままの生活を続けた方が安心だから 38.1%
結婚相手として条件をクリアできる人に会えそうにないから 37.9%
最も多いのが「結婚に縛られなくない、自由でいたいから」という理由で4割前後の独身男性が回答しています。「結婚=束縛」と感じている人が比較的多いということを示しています。
2番目に多いのが「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」。同じく10人に4人程度の独身男性が「結婚するためには、まず恋愛を」と考えていることが分かります。
3番目に多い理由が、「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」。自分の経済力では家族を持てないと感じ、自分の稼ぎで誰かを養う気持ちになれないと感じている人が4割近くいることを示しています。
次に多いのが、「今のままの生活を続けた方が安心だから」。今のままの暮らしが安心だと感じ、変化を好まないという傾向がうかがわれます。実家暮らしの男性の場合、「傷つかない安全なところで生きていきたい」「自分に自信がないから、独り立ちできない」という思いもあるかもしれません。
20~30代の独身男性の3割近くが、「結婚という形式に拘る必要性を感じないから」という回答を選んでいます。「結婚するのが当たり前」「結婚して一人前」という見方や価値観に変化が現れていることを示しています。
一方、40~60代の独身男性の4割が、「結婚相手として条件をクリアできる人に会えそうにないから」と答えています。結婚に対する理想や条件を重視するあまりに、身動きがとれにくくなっている男性も少なくないようです。
「結婚に魅力を感じない」という人の中には、誰かと向き合う自信がないという人もいるかもしれません。周りに結婚に失敗した友人がいて、その影響で結婚にネガティブなイメージを持ってしまった可能性もあるでしょう。もしくは、周りがみんな独身の友人ばかりだから、結婚を焦る必要がないと感じている人もいるようです。
息子が結婚しないのは、親に原因がある?
「息子が結婚しないのはなぜ?」「親に原因があるの?」と不安になったり、悩んだりしている人もいるかもしれません。次に、親や家庭に原因がある可能性をいくつか挙げてみます。
両親が不仲
両親が不仲だった場合、両親のパートナーシップを見て育った息子は、「結婚するとけんかが絶えない」「結婚しても幸せになれない」と学習してしまうので、結婚に対して前向きな気持ちになれないでしょう。
いつまでも親離れできない
実家で暮らしていると生活面や経済面での不安がなく、自分を完全に肯定してくれる存在(両親)を手放せないという可能性も考えられるでしょう。また生活面を母親に頼り切っていると家事能力が育たないので、独り立ちすることへの面倒くささや不安を感じてしまうかもしれません。
大人になりきれない
生活面や経済面で親の擁護や援助を受けていると、自分が誰かを養ったり、誰かと家庭を築いていったりするイメージが持ちにくいかもしれません。一人で生きていったり、誰かを養ったりする自信が持てない可能性もあります。
結婚しない息子のために親ができること
結婚しない息子に対して親ができることは何でしょうか?独り立ちさせるためのポイントを紹介します。
一人暮らしをすすめる
結婚の話をする前に、息子が実家で暮らしている場合は一人暮らしをさせることをおすすめします。自分の力で生活できるようになると、自然に親離れができて「結婚したい」という気持ちになるかもしれません。
金銭の援助をしない
親が息子に金銭的援助をしてきた場合は、それをやめるという方法もおすすめです。「収入が少ないから生活できるかどうか心配」という親心を手放し、時には息子を突き放してみることも大切です。自分で生活を成り立たせられるようになると自信が生まれ、人間的成長にもつながるでしょう。結婚に対する見方や考え方も変わってくるかもしれません。
家事を教える
息子が家事をする習慣がない場合は、掃除や洗濯、料理などを教えることをおすすめします。一人暮らしをするためにはもちろん必要ですが、実家で親と暮らしている場合も、何かしらの家事をやってもらうように役割分担するのもいいでしょう。
特に自分の部屋の掃除や自分の衣類の洗濯は、最低限、自分でやってもらうという形が理想的です。「実家だと何でもやってもらえるから楽」という意識が薄れると、独立心や結婚への興味が芽生えてくるかもしれません。
結婚しない息子に親がやってはいけない行動・言動
結婚しない息子に絶対に言ってはいけないこと、やってはいけない行動を紹介します。
老後が心配と訴える
結婚しない息子に対して、「老後が心配」「いつまでも面倒を見てあげられないよ。どうするの?」などと言って不安をあおるのはやめましょう。「いつか自分達はいなくなってしまう」ということをいくら訴えても、かえって逆効果です。息子は「親のために結婚してほしい」と言われているように感じ、結婚に対して前向きにはなれないでしょう。
理由を問い詰める
「なぜ結婚しないの?」「結婚できない理由は?」などと言って問い詰めることは絶対にしてはいけません。息子は責められているように感じて、心を閉ざしてしまうかもしれません。「もう一生結婚しない!」と頑なになってしまう恐れもあります。
婚活費用を負担する
親が婚活費用を負担して、息子に婚活をすすめるケースが少なくありませんが、これもやめた方がいいでしょう。息子は「親がやれと言っているから婚活をしている」という後ろ向きな気持ちで婚活に取り組むので、モチベーションが上がらずなかなか成果は出ません。婚活をすすめるなら、「費用は自分で負担してね」とはっきり伝え、主体的に婚活に取り組めるようにするのがベストです。
人と比べる
例えば、「近所の◯◯さんは結婚して子どももできて……」などと、周りの人と比べるのは絶対にしないよう心がけましょう。誰かと比べられるのは誰でも良い気がしないものです。息子は、「どうせ自分はダメだから……」と自信をなくしたり、卑屈になってしまったりする可能性もあります。
息子を責めすぎないで!
結婚しない息子に悩んでいるのは、「息子が心配だ」という親心や愛情の表れです。結婚しない息子をいくら責めても、「結婚しよう」という気持ちにすることはできません。
代わりに、普段から息子とのコミュニケーションを心がけるようおすすめします。息子の人生観や何を幸せだと感じているのかを知ることができると、なぜ結婚しないのか、結婚したくないのか、その心理をより理解できるようになれるかもしれません。
息子も一人の男性であり、人間です。「彼には彼の人生があるので、親がコントロールできるものではない」ということを忘れないでください。また必ずしも「結婚=幸せ」ではありません。「息子の幸せとは?」を考えて、気長に見守る姿勢でいることも大切です。
「結婚に興味はあるけど、出会いがない」と感じている息子がいる場合は、結婚相談所をさりげなく紹介するのもいいでしょう。婚活のプロによるアドバイスのもと、新たな出会いを見つけられるので親としても安心できるはずです。ゼクシィ縁結びエージェントでは、マッチングコーディネーターによる細やかなサポートが受けられます。興味がありそうなら無料カウンセリングをおすすめしてみてはいかがでしょうか?
取材・文/Jun
【監修】
竹内えつこさん
心理カウンセラー。大学時代に心理学を学び、卒業後はバーテンダー、アロマセラピスト、アロマ講師、カウンセラーという、異色の職歴を持つ。得意なジャンルは夫婦関係・パートナーシップ。現実的かつ理論的なアドバイスに定評があり、悩みを抱えている多くの女性たちから支持を得ている。東京・恵比寿にカウンセリングルームを持ち、対面、オンラインでのカウンセリングを行っている。
公式ブログ:https://counseling-sou.com/blog/
【出典】
内閣府男女共同参画局 「令和4年版 男女共同参画白書」
※「令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」(令和3年度内閣府委託調査)より作成。
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