- 夫婦それぞれが個人として自立できる
- 自分の時間を自由にコントロールできる
- 同居婚以上のコミュニケーションが生まれる
- 生活費が増える
- 相手との擦れ違いが生まれる
- 浮気しているかもと懐疑的になる
- 婚姻届
- 住民票
- 出生届
- 別居する目的
- お金のこと
- 家族計画
- コミュニケーションの頻度
別居婚とは、どのような結婚スタイルを指すのでしょうか。別居婚のメリット・デメリット、同居婚と違って何か特別な手続きが必要なのかを解説。さらに、仕事や子どものことなど、別居婚を始める前に夫婦で話し合っておきたいことなどについて、行政書士として夫婦のさまざまな問題を解決する湯原玲奈さんに伺いました。
別居婚とは?
別居婚とは、法律上婚姻関係にあるけれど同居をしていない、という夫婦の結婚スタイル。つまり、法律上の夫婦それぞれが違う場所で暮らしていれば別居婚といえます。
ポイントは、結婚しても別居するということを夫婦がお互いに納得していること、前向きな理由で別居を積極的に選んでいること。離婚を前提とした別居や、単身赴任など自分たちで選んだわけではない別居との決定的な違いは、ふたりが人生を楽しむためにあえて積極的に別居を選んでいるという点にあります。
別居しているふたりが住む部屋の距離も、会う頻度も、決めるルールも、夫婦それぞれ。例えば次のようなスタイルがあります。
それぞれが好きな場所で生活
例えばそれぞれの仕事に便利な場所、実家に近い場所など、自由に住む場所を選び、休日などは一緒に過ごすというスタイル。結婚前と生活スタイルを大きく変えずにすむのが特徴です。
同じマンション内など近所で生活
同じマンション内に2部屋借りるなど、近くに住んで頻繁に会うスタイル。どれくらいの時間を一緒に過ごすのかなどにより、独身のような暮らしにも、同居する夫婦のような暮らしにもできます。
本宅と別宅を行き来して生活
例えば夫婦どちらかが仕事部屋など別宅を借り、平日はそこで生活し、休日は本宅で過ごすといったスタイルもあります。
別居婚のメリット
別居婚にはどのようなメリットがあるのでしょうか。一緒に過ごす時間の多さなどによっても異なりますが、別居を基本とする夫婦では、次のようなメリットがあるといえます。
夫婦それぞれが個人として自立できる
それぞれが経済的に自立し、家事など生活面でも自立できます。
自分の時間を自由にコントロールできる
自分の時間を自分である程度コントロールできる自由があります。
同居婚以上のコミュニケーションが生まれる
結婚後も、お互いが相手をある意味で他人として思いやる必要があるので、常にお互いを知っておくためのコミュニケーションが多くなることもあります。
別居婚の注意ポイント
別居婚をするにあたっての注意ポイントを解説します。
生活費が増える
生活費はそれぞれが個別に負担することになるので、同居婚よりも増えるケースが多いです。最も大きいのは、家賃・光熱費などの住居費。単純に倍近くになることもあるでしょう。
相手との擦れ違いが生まれる
過度な自立は夫婦関係の必要性に疑問が生まれ、相手との擦れ違いが生まれる可能性もあります。自分の時間を優先しすぎることで相手をおざなりにしてしまう場合も同様です。
別居婚では、同居婚以上に相手とコミュニケーションを取る必要があるので、ここが崩れてしまうと夫婦として機能しなくなることもあるかもしれません。
浮気しているかもと懐疑的になる
お互いの状況を把握できるようにコミュニケーションを密に取るようにしておかないと、相手が何を考えているかわからなくなることもあります。それが顕在化すると、浮気しているかも?と疑心暗鬼になることもあるでしょう。
別居婚に特別な手続きは必要?
別居婚をする場合、同居婚とは違う特別な手続きが必要になるのでしょうか。湯原さんによると、別居婚だからという違いはあまり多くないとのこと。そこで、知っておきたいポイントを伺いました。
婚姻届
記載内容は同居婚と同じで、別居なので住所欄はそれぞれの住所を記載します。ただし、混乱する人が多いのが、本籍地。本籍地はふたりが新しく作る戸籍のある場所になり、ふたりで1つの場所を選びます。なお、「同居を始めたとき 年 月 日」という欄がありますが、同居しないので空欄で問題ありません。
住民票
別居なのでそれぞれが住民登録します。今いるところにそのまま住む場合、何もする必要はありません。
なお、実際は別居していても、住民票上は同居、という方法もあります。居所(実際の住まい)と住所(住民票の住所)を別にするため、行政手続き等は同居状態なので便利な方法です。
一人暮らしをする学生や単身赴任などでもこの方法が取られています。
出生届
子どもが産まれた場合、母親の住所地で母子手帳や赤ちゃんの予防接種券なども発行されるため、出生届も母親の住所にするのが基本です。
健康診断などの行政サービスは、出生届に記入した自治体で受けられます。
別居婚を始める前に話し合っておきたいこと
別居婚を始めるときはもちろん、できれば年に一度、まとまった時間をつくり、自分たちらしい別居婚のスタイルについて話し合うのがおすすめです。
別居する目的
何よりも大切なポイント。例えば子どもができるまでの間はお互い自由にするとか、お互いの生活時間が違うので平日は別々に過ごすために別居婚にするなど、お互いが納得できる目的を共有しておきましょう。
その上で、以下のような細かいことを決めていくとブレにくいでしょう。
お金のこと
家計の管理の仕方、貯蓄など共有の財布をつくるかどうか、資産計画について話し合いましょう。分けるもの・共有するものを最初に決めておくことで、後からトラブルが起こりにくくなります。
家族計画
子どもはいつ・何人欲しいのか、そもそも子どもを持つ予定や意思があるのか、子どもができたら別居婚を解消するのかなどについても話し合っておく必要があります。
コミュニケーションの頻度
休日は基本的に会うのか、お盆・年末年始など長期休暇の過ごし方も含め、夫婦が会う頻度を決めておきましょう。
また、別居婚だからこそ「話さなくては理解し合えない」ことを肝に銘じておく必要があります。同居婚以上に、ふたりのコミュニケーションを割愛しないように気を付けましょう。
別居婚は一つの夫婦のあり方
ふたりがお互いに納得してポジティブに選択する「別居婚」は、一つの夫婦のあり方で、そのスタイルに決まりはありません。別居婚を始めても、状況や気持ちが変わればふたりで話し合って同居婚に変えるなど、理想の夫婦生活を模索しながら歩んでいくことが大切ですね。
もし、これから一緒に歩んでいける相手を探したいなら、婚活を始めるのもおすすめです。日常生活やその延長で出会う人より多くの人と出会えるので、自分の結婚観に近い相手を見つけるための近道となりそうです。
本格的に婚活を始めたいという人は、コーディネーターに相談しながら婚活を進められる結婚相談所を利用するのもおすすめ。ゼクシィ縁結びエージェントでは無料カウンセリングを実施中。気軽に予約をして相談してみてはいかがでしょうか。
取材・文/前川ミチコ
【監修】
湯原玲奈さん
行政書士/マリッジデザイン株式会社 代表取締役
行政書士として夫婦のさまざまな相談を受ける中で「幸せな結婚生活を送ってほしい」という思いから、カップルのためのコミュニケーションツール「マリッジノート(R)」を開発。書籍『一生幸せなふたりでいるための10のワーク[マリッジノート(R)]』を発売中。また「しあわせふうふ10年プロジェクト」と題した活動を展開している。
公式サイト:http://www.marriage-note.jp/
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