愛嬌（あいきょう）とは？言葉の意味や愛嬌がある人・ない人の特徴＆身につける方法も

「愛嬌」とは、「にこやかであること」や「相手を喜ばせるようなふるまい」を表す言葉です。

「あの人は愛嬌があってかわいらしい」「この人は愛嬌のない人だ」など日常的に耳にはしますが、いざ「これ」と答えるのは案外難しいものです。

あらためて辞書を引くと「１.にこやかで、かわいらしいこと」「２.ひょうきんで、憎めない表情・しぐさ」「３.相手を喜ばせるような言葉や振る舞い」とあり、ここからほっとするような雰囲気や、クスッとさせるような隙があり、それが愛らしさにつながっている感じであると読めます。

似た言葉に「愛想」がありますが、こちらは辞書で引くと「１.人に接するときの態度。また、人当たりのいい態度」「２.人に対する好意・信頼感」「３.（多く「お愛想」の形で）相手の機嫌をとるための言葉・振る舞い」とあります。

比べると愛嬌が「本人からにじみ出るものを相手が捉えた印象」であるのに対し、愛想は「相手に対して良い印象を与えるべく意図した振る舞い」という違いがあるようですね。

では「愛嬌がある人」とは、どんな特徴を備えた人のことをいうのでしょうか。具体的な特徴の例を見ていきましょう

いつも笑顔を絶やさない

愛嬌がある人の特徴のひとつが「いつも笑顔であること」です。笑顔を絶やさない人がいるだけで、場が明るい雰囲気になります。これは笑顔そのものに人をポジティブにする力があるからです。また笑顔は相手に「自分を受け入れてもらっている」という安心感を与え、人間関係を和やかにする役割もあります。単純に「笑顔は人を愛らしく見せる」というビジュアル面のメリットもあるでしょう。

放っておけないところがある

つい手を貸したくなったり、面倒を見てあげたくなったりする、いわゆる「放っておけない存在」も愛嬌があるタイプといえます。人から助けられたときに遠慮や謙遜をしたりせず、素直に受け入れることができるのも特徴の一つ。自分の足りない部分や至らないところを取り繕わずに素直に認めるため、周囲からは「イジられキャラ」「天然」などと評されることも多いようです。

表情が豊かで裏表がない

自分の感情を素直に表現し、ポジティブ・ネガティブ両方の気持ちを隠さずオープンにするのも愛嬌がある人の特徴です。その人が表している感情を、言葉の裏を考えず素直に受け取らせてくれる人は、周囲に「裏表のない人」「理解しやすい人」という印象を抱かせます。警戒心を抱かずに済むため、安心できる存在です。

人懐こくコミュニケーションが上手

誰に対しても臆さずに関わることができる人も「愛嬌がある」と評されます。初対面の人にも警戒心を抱かせず、するりと懐に入ってしまう人懐こさで、誰とでもすぐに仲良くなります。

基本的にコミュニケーション能力が高く、人との適正な距離の測り方にたけているため、相手に嫌な感じを与えません。このタイプは人を頼ることが上手で、「相手に興味があること」をうまく表現するため、周囲もつい話しかけたくなってしまうでしょう。

ポジティブな言葉をよく使う

愛嬌のある人は、「うれしい」「楽しい」「おいしい」「ありがとう」など、ポジティブな言葉をよく使います。周りの雰囲気を明るくし、相手の言葉をいいね」と肯定的に受け止めるため、話し手も安心して言葉を続けることができ、自然と話も弾むでしょう。

基本的に物事の良い面に目を向け、何でも楽しんでしまうバイタリティーがあるため、周囲を「自分も一緒に楽しみたい」という気持ちにして巻き込んでしまいます。

では逆に「愛嬌がない」と言われがちな人は、どんな特徴があるのでしょうか。次にその具体的な要素を見ていきます。

感情を表せず表情が乏しい

表にあまり感情を出せないため、周りから「冷たい」「何を考えているか分からない」と思われ、無愛想な印象を与えてしまいます。「不機嫌なのかな」「怒っているのかな」と周りから誤解されてしまうこともあるでしょう。「もしかして、自分のことが嫌いなのかも」という不安から、周囲の人も自然と距離をとるようになりがちです。

周囲を頼れない

人は基本的に「誰かの役に立ちたい」という願望を持っています。周囲を頼れないタイプは、身近な人に「“役に立たない人”と思われているのでは」という劣等感を感じさせ、人との関わりをつくる機会を失いがちです。あまりにも弱みや隙を見せないと、周りに「私のことを“だらしない人”だと思っていそう」など、いらぬ不信感を抱かせ、意図せず人を遠ざけてしまいます。

プライドが高い

プライドが高すぎると周りから「偉そう」「こっちを見下していそう」と思われがちです。さらに、周りにも完璧であることを求める完璧主義である場合、周囲を萎縮させてしまうこともあるでしょう。また自分のプライドを守るために相手をけなしたり、マウントをとったりする場合、周囲は嫌な気持ちにさせられることを嫌い、自然と距離をとるようになります。

コミュニケーションが不得手

人と関わるのが不得意な人は自己開示も苦手であるため「自分がどんな人間であるか」を周りから理解してもらえず、「愛嬌がない」と思われることがあります。自分に自信が持てないために「私の話なんて聞かせてもつまらないかも」と萎縮して世間話ができなかったり、「私は人見知りだから」と割り切りすぎて人間関係の構築を放棄したりしていると、人を遠ざけてしまいがちです。

ネガティブな発言が多い

「どうせダメだろう」「うまくいくわけがない」などネガティブワードが口癖だったり、悪口や人をけなすような発言をしたり、愚痴が多かったりする人は、周りから敬遠されがちです。また明確な悪意はなくても「そうじゃなくて」「でも」など人の発言を否定するようなワードを頻繁に使うと、相手を意気消沈させ、会話を続ける気をそいでしまっているかもしれません。

人間関係を円滑にする「愛嬌」は、どうしたら身につくのでしょうか。次では意図的ではなく自然と中からにじみ出る愛嬌を獲得する方法を見ていきます。

自己肯定感を上げる

自己肯定感を上げるということは、ありのままの自分を「これでいい」と受け入れることです。良い部分はもちろん、目を背けたい部分も含め、否定せずにただ受け入れてみましょう。

自己肯定感を上げることで、無意識に自分ではめていたかせが外れ「NG行動」の縛りが少なくなります。そうするとおのずと人を頼ったり、甘えたりすることができるようになるでしょう。同時に素直に感謝を示すこともできるようになり、人間関係が円滑になります。

自分の失敗談などをオープンにする

自分の欠点やマイナス要素をオープンにすることで、周りは親近感を覚えるものです。

また失敗談を笑って話す相手に、人は「自分が失敗しても、笑って受け入れてもらえそう」という気持ちを抱き、心を開きやすくなります。まずは「恥ずかしい」「みっともない」という気持ちを一度捨ててみましょう。そして思い切って何か一つ、失敗談を話してみてはいかがでしょうか。

積極的に人と関わる

人と積極的に関わろうとする姿勢は、周囲に親近感を抱かせ「自分も輪に入れてもらえる」という安心感をもたらします。多くの人に自分を知ってもらうと同時に多様な考え方や価値観を知り、視野が広がるというメリットも。

また、人と関わるときに相手のよいところを見つける視点を意識的に持つことで、相手を褒めることが上手になります。褒め上手は相手の自己肯定感を上げることにつながり、結果人間関係にポジティブな影響をもたらします。

愛嬌がある人は異性・同性を問わず人から好かれる魅力があります。笑顔が多いためそばにいると安心感を覚えるので、自然と「この人とずっと一緒にいたい」と思わせます。

またポジティブで一緒にいると前向きな気持ちになれ、表情が豊かなので一緒にいて飽きません。自分の美点・欠点を素直に認めているため、人の意見には素直に耳を傾けますし、同様に相手をまるごと受け入れる包容力もあります。パートナーから「助けてあげたい」「守ってあげたい」と思わせ、そうしたサポートを善意として上手に受け取るので、良い関係を築くことができます。愛嬌を身につければ自然と相手は「この人を喜ばせてあげたい！」という気持ちになり、婚活もきっとうまくいくでしょう。

もし、愛嬌がある人と出会いたいのであれば、自分の理想の相手をコーディネーターに伝えてお相手を探すことができる、結婚相談所での婚活もおすすめ。「ゼクシィ縁結びエージェント」では、婚活のプロのマッチングコーディネーターがパートナー探しをサポートします。詳しいサポート内容は、無料カウンセリングでお尋ねください。

取材・文／吉田美奈子

【監修】
竹内えつこさん
心理カウンセラー。大学時代に心理学を学び、卒業後はバーテンダー、アロマセラピスト、アロマ講師、カウンセラーという、異色の職歴を持つ。得意なジャンルはパートナーシップ・人間関係。現実的かつ理論的なアドバイスに定評があり、悩みを抱えている多くの女性たちから支持を得ている。東京・恵比寿にカウンセリングルームを持ち、対面、オンラインでのカウンセリングを行っている。
公式ブログ：https://counseling-sou.com/blog/