目次
好きすぎてつらいと感じたことがある人は約35% 好きすぎてつらいと感じがちな、男女別上位3つのシチュエーション 好きすぎてつらいと感じるのはなぜ? つらい気持ちを落ち着かせたいときの対処法
  • 自分の中の好きという感情を認めてあげる
  • 交際している相手なら、素直に気持ちを伝え合う
  • 趣味や友人との時間に集中し、楽しむ
  • スマホ断ちする
  • 好きという気持ちを、相手を大事にすることに向ける
好きな人に出会えた喜びを感じ、自分を肯定しよう

恋愛関係において、相手のことが好きすぎてつらい思いをしたことはありませんか?気づくと好きな人のことばかり考えてしまったり、相手の態度に一喜一憂したり。そんな苦しい状態を落ち着かせるための対処法が知りたいという人もいるのでは?そこで、恋愛について多くの相談に乗ってきた心理カウンセラー服部希美さんに、「好きすぎてつらい」という気持ちの背景にある心理について紐解いていただきました。つらさを軽減する対処法も要チェックです。

好きすぎてつらいと感じたことがある人は約35%

好きすぎてつらい恋愛をしてしまうのはなぜ?気持ちを安定させたいときの対処法を解説

アンケートで、恋愛で相手のことを好きになりすぎてつらいと「感じたことがある」人は、34.8%。一方「感じたことがない」人は、43.8%でした。男女別の結果を見ると、両者に少しギャップがあることがわかります。女性で好きすぎてつらいと感じたことがある人が43.2%であるのに対して、男性の場合は26.2%になります。

これについて、服部さんは感情面への向き合い方に男女差があるからではないかと言います。一般的に女性は感情豊かな人が多いため、その影響を受けてしまう可能性も高くなります。一方男性は、感情を抑圧する習慣のある人が多く、意識的無意識的にかかわらず、感情面にフォーカスしにくい傾向があるようです。

つまり、「好きの度合い」に男女差があるのではなく、「感情へフォーカスする度合い」にギャップがあるといえます。

好きすぎてつらいと感じがちな、男女別上位3つのシチュエーション

好きすぎてつらい恋愛をしてしまうのはなぜ?気持ちを安定させたいときの対処法を解説

では、好きすぎてつらいと感じた人は、実際どういう状態でそのように感じるのでしょうか。そこで、アンケートでは、「どんなときに好きすぎてつらい」と感じるのか、そのシチュエーションについても聞きました。その中で上位3位だったのは次の通りです。

過去や現在の恋愛経験の中で、どんなときに「好きすぎてつらい」と感じましたか?

【男性の場合】
1位:相手のことばかり考えてつらい(60.3%)
2位:片思いが進展しなくてつらい(44.8%)
3位:すぐに嫉妬してしまってつらい(37.9%)

【女性の場合】
1位:相手のことばかり考えてつらい(60.4%)
2位:すぐに嫉妬してしまってつらい(51.0%)
3位:自分のほうがより愛情が深いと感じてつらい(37.5%)

1位は男女ともに同じだったものの、目的や結果志向が強いと言われる男性は、2位に「片思いが進展しなくてつらい」がランクイン。一方、行動や結果以上にその背景にある感情を重視する傾向があると言われる女性は、3位に「自分の方がより愛情が深いと感じてつらい」がランクインする結果となりました。

次からは、「つらさ」の理由や正体について、詳しく見ていきましょう。

好きすぎてつらいと感じるのはなぜ?

好きすぎてつらい恋愛をしてしまうのはなぜ?気持ちを安定させたいときの対処法を解説

好きすぎるとつらいのは、「恋愛における幸せが相手次第である状態」にあるといえます。「私のことをどう思っているんだろう」「あのとき、あんなふうに言ってしまったけど、あの人はどう思ったかな……」といったように相手の反応が気になって仕方ないという経験はありませんか?まさに、これが「相手次第の状態」なのです。

人は、相手が自分の気持ちがわからない、自分の方が相手を追っている、相手を失うことが怖い、そんなときに「相手次第の状態」に陥りやすくなります。そうなると、その人によって感情を振り回されているような感覚になり、それが「つらい」気持ちとなって表出します。

では、そのときどんな心理が働いているか、理由をもう少し詳しく見ていきましょう。

相手にも「自分と同じくらい好きになってほしい」という思いが強くなるから
好きになればなるほど、「相手にも同じくらい自分のことを好きになってほしい」と思うようになるのは、自然なことです。その思いが強くなると、自分が相手をどう思っているかよりも、相手にどう思われているかの方に気持ちの比重が傾いてしまいます。すると、相手の言動について考える時間が長くなったり、嫉妬するような感情が出やすくなったりしてしまうようです。

傷ついた経験や自信のなさによって、恐れが出てきてしまうから
「こんな自分でいいのかな」と自信がない場合、また、「以前の恋愛のように相手が離れていったらどうしよう」と傷ついた経験がある場合、ベースには「好き」という感情があるものの、不安や恐れの方が勝ってしまうことがあります。すると、相手の言動に一喜一憂するようになり、自分自身の身動きも取りにくくなってしまいます。

「これ以上好きになったら危険」という心理が働くから
過去に失恋などで傷ついた経験があったり、極度に恥ずかしがり屋だったりする場合、今以上に好きになってしまうと「また傷ついてしまう」「恥ずかしい目に合ってしまう」という赤信号が出てしまう人もいるようです。急ブレーキをかけようとしても、「好き」という感情がなくなるわけではなく、行き場を失ったことで膨らんでしまい、かえって何度も相手のことを考えるようになります。アンケートの「片思いが進展しなくてつらい」は、この心理が影響しているのかもしれません。

つらい気持ちを落ち着かせたいときの対処法

好きすぎてつらい恋愛をしてしまうのはなぜ?気持ちを安定させたいときの対処法を解説

好きすぎてつらいとき、そこから抜け出すにはどんな方法があるのでしょうか。服部さんによると、気持ちを開放、分散することによって、バランスを整えることが大切なようです。

自分の中の好きという感情を認めてあげる

最初に取り組んでほしいのは、自分で「こんなに好きなんだなあ」。「だからつらいのは仕方ないよなあ」と、あなたの中の好きすぎてつらいという気持ちを受け止めて、認めてあげること。

「こんなに相手のこと考えてしまうなんておかしいのかも……」と自分を責めるのをやめるだけで、不思議と安心する感覚が湧き上がってくるかもしれません。

交際している相手なら、素直に気持ちを伝え合う

自分の中でだけで考えたり悩んだりしていると、よくない感情はどんどん膨れ上がっていきます。もし交際している相手のことが好きすぎてつらいと感じているなら、今「こんなふうにつらい」「もっとこうしてもらえたら嬉しい」といったように素直に伝えてみましょう。

その際、相手の気持ちを聞いてみることも忘れずに。意外にすんなり状況が変わるかもしれません。

趣味や友人との時間に集中し、楽しむ

好きな人のことを考えれば考えるほど、中毒性のある癖のようになってしまいます。考えることをストップするには、他に気持ちを分散する必要があります。

有効なのは物理的に相手のことを考える時間を絶ってしまうことです。体を動かしたり、友人とどこかに出かけてみたり。可能な限り集中できることをやってみるのがおすすめです。

また、ちょっとした家事や食事、友人との会話など、目の前にあることを丁寧に扱ってみようと意識してみてください。一つ一つに気持ちを込めることで、その瞬間、相手への思いから離れることができます。

スマホ断ちする

相手からの連絡があるかないかで一喜一憂したり、恋愛に関する情報を検索したり、スマホがあるとつい情報を得ようと依存しがちになってしまいます。スマホを見る時間をあらかじめ決めておいて、それ以外の時間は触れないようにするというのも効果的です。

好きという気持ちを、相手を大事にすることに向ける

なかなか難しいことではありますが、「こうしたら嫌われるかも」といった不安や恐れにベースを置くのではなく、相手の幸せを願ったり、大事にしたりするような気持ちに向かってみましょう。

不安や恐れから抜け出せるととても楽になりますし、恋愛もうまくいきやすくなります。まずは意識するだけでもOKなので、ぜひ少しずつトライしてみましょう。

好きな人に出会えた喜びを感じ、自分を肯定しよう

好きすぎてつらい恋愛をしてしまうのはなぜ?気持ちを安定させたいときの対処法を解説

つらいとき、どうしてもその感情に目が向きがちですが、誰かを好きになれることは、とても素敵なことですよね。「好きと思える相手に出会えた幸せや、自分がそれだけ人を好きになることができる愛の持ち主であることにぜひ誇りを持ってほしい」と服部さんは言います。

行きすぎた気持ちは悪いものではなく、ただ、気持ちのバランスを整えるだけのこと。そんなふうに軽やかに捉えて、まずは、誰かを好きという自分の気持ちを大切にしてあげてくださいね。

取材・文/小松ななえ

【監修】
服部希美さん
「カウンセリングサービス」所属心理カウンセラー。セミナー講師。“さびしさを笑顔に変えるカウンセリング”をテーマに高い共感力で親身に寄り添い、婚活や30代女性の恋愛をサポート。「対人関係の改善」「自分の望む人生へのシフトチェンジ」といった相談でも高い支持を得ている。名古屋、東京、オンライン、電話で相談可。
公式サイト:https://www.hattori-nozomi.jp

【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2022/9/20~2022/9/22
有効回答数:778人※387人(男性)、391人(女性)
(インターネットによる20~30代男性・女性へのアンケート調査 調査機関:マクロミル)

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