恋とはどんな気持ち？恋するとどうなる？「好き」「愛」との違いなど恋愛感情を大解剖

「気になる人がいるけれど、これが恋愛感情なのかどうかわからない」。そんな思いを抱えている人へ、その気持ちが「恋愛感情」＝「恋」なのかを診断する方法を紹介します。「恋」という言葉の意味、恋とはいったいどんな気持ちなのか、恋と好き、愛の違いとは何か、恋をするとは、などについて恋愛＆婚活コンサルタントの松尾知枝さんにお話を伺いました。また「本当の恋とは？」について理解を深めるために、古代の哲学者や芸術家たちの恋にまつわる名言集もいくつか選んでいただきました。

恋とは、その人のことを「もっと知りたい、近づきたい」と思い、強い関心を寄せることです。辞書では、「強く惹かれること」「切ないまでに深く思いを寄せること」「男女間の思慕の情」などという説明がされています。

恋をしているとき、特定の異性に対して胸がドキドキしたり、ときめきを感じたりします。生理学的にはアドレナリンやホルモンの分泌が促され、肌がつやつやしてきれいになったと感じたり、表情が生き生きしてきたりするでしょう。また人によっては緊張のあまり相手に近づくのが怖いと感じ、不安に近い感情を抱くこともあるようです。

「恋」と近しい言葉に、「好き」「愛」という言葉があります。それぞれの意味の違いを簡単に説明します。

「恋」と「好き」の違い

「恋」とは特定の人物に対する強い興味や関心を表すのに対し、「好き」という言葉は人物だけでなくペット、食べ物や趣味、その他、さまざまなものに使われます。つまり、「好き」とは広い対象に対する淡い興味や好意を表すといえるでしょう。

「恋に落ちる」という言葉がありますが、恋は意識的にできるものではなく、気が付くと落ちていたという感じです。つまり、恋はいつのまにか突然のように始まり、後から気づくものともいえるでしょう。

「恋」と「愛」の違い

「愛」という言葉を辞書で引くと、「いつくしみあう気持ち」「いたわり大事に思う気持ち」「相手を大切に思い、尽くそうという気持ち」などと書かれています。親子愛、兄弟愛、動物など命あるものへの愛など対象が異性に限らず広いのも恋との違いといえるでしょう。

恋は相手に強く惹かれながらもどう思われるか気になってしまい、その気持ちをまっすぐ行動で表すことに葛藤が生まれる状態です。恋心を打ち明けようか悩んでいるとき、「嫌われたらどうしよう」と不安な気持ちになり、迷いながら行動していくことが多いでしょう。

一方、愛を感じているとき、相手の反応に関わらず迷いなく行動に移すことができます。確たる保証がなくても相手のために進んで行動を起こせます。愛は「愛する」という意思であり、行為だからです。「無償の愛」という言葉もあるように、愛には見返りを期待しないで自分の思いを届けることができる揺るぎなさがあります。

恋愛においては、相手への恋に始まり愛に変わっていくというケースが一般的ですが、お見合いの場合など、恋をスキップして愛から始まる関係もあるでしょう。愛は意思なので、ときめきやドキドキはなくても、「一緒にいて落ち着く。ほっとする」という感情から始めることもできるからです。愛の関係からスタートした場合、後から恋の感情が芽生えてくることもあるかもしれません。

「恋のときめきから愛が生まれる」という王道セオリーがドラマや小説などで取り上げられますが、小説のストーリーと違っていても心配はいりません。100人いたら100通りの恋愛の仕方があってOKなのです。

では恋に落ちたとき、どんな状態になるのでしょうか？主だったいくつかの特徴を挙げてみます。

「恋をすると世界の見え方が変わる」とよくいわれます。おなじみのありふれた世界が突然、色鮮やかな世界に変化し、すべてが新鮮に映るでしょう。何をするにも楽しくて、ひとりでに笑みが浮かんでくるかもしれません。

ごはんの味がわからなくなるという人もいます。気持ちがいつも相手に向かっているため、目の前の料理を味わうことができないくらい「心ここにあらず」という状態になってしまうからです。

恋人とのデートの後は、鏡に映る自分の顔が生き生きとしていることに気づくでしょう。恋に落ちた相手といい関係にあるとき、男性も女性も幸せを感じて表情が輝いています。

今、自分が恋をしているかどうか気になる人向けに、簡単な診断表を用意しました。次の項目が自分に当てはまるかどうかをチェックしてみてください。

＜恋している度診断表＞

□なぜかその人のことが気になってしまう
□おしゃれや髪型に気を配るようになる
□相手との過去のメールのやりとりを見返したくなる
□LINEの既読までの時間が長いと不安になる
□恋愛コラム、恋愛のSNSを見てしまう
□相手の好き嫌いや過去の恋愛が気になる
□周りから「変わったね」と言われる
□感情の振れ幅が大きくなる

該当する項目が多ければ多いほど、恋をしている可能性が大きいでしょう。では、ここから詳細を説明していきます。
なぜかその人のことが気になってしまう
はっきりとした理由がないのに、その人のことが気になってしまうのは、恋の初期症状といえるでしょう。この「理由がないのに」というのがポイントです。恋は突然やってくるものなので、気づいたときには落ちているからです。

いつもふと気が付くと相手のことを考えてしまうのも恋をしている人に多く見られる症状です。例えば、友人とレストランに行っておいしいものを食べても、「彼も好きかしら」「今度は彼女と一緒に来よう」などという思いが浮かんでくるかもしれません。

おしゃれや髪型に気を配るようになる
自分がどんな風に見えるのかが気になり、今まで以上に髪型や身だしなみにお金や時間をかけ始めたら、恋をしているかもしれません。女性の場合、新作コスメ、ファッションをこまめにチェックし、パックや基礎化粧などに一段と力が入ることも多いようです。

相手との過去のメールのやりとりを見返したくなる
気になる相手との過去のメールやメッセージのやり取りを何度も見返したくなるとき、恋をしている可能性が高いでしょう。相手の言葉の裏の意味を考え、相手の自分への思いやふたりの関係性を推しはかろうとする気持ちの表れだからです。

LINEの既読までの時間が長いと不安になる
相手とLINEのやりとりをしていて、自分のメッセージをいつまでも相手が読んでくれないときに不安を感じたり、そわそわして落ち着かなくなったりしたら、恋に落ちているかもしれません。相手の行動の一つ一つに一喜一憂してしまうのも恋心の特徴といえるでしょう。

恋愛コラム、恋愛のSNSを見てしまう
今まで見ていない恋愛コラムや恋愛関係の記事が気になり始めたら、恋をしている可能性が高いでしょう。また気になるお相手の血液型や星座などを聞き出して、占い雑誌やSNSの恋愛コーナーを熱心に見るようになるかもしれません。

相手の好き嫌いや過去の恋愛が気になる
恋に落ちたとき、相手のことをもっと知りたいと強く思います。相手の好きなもの嫌いなものや、過去の恋愛経験が気になったりするかもしれません。会っているときも自分の話を聞いてもらうより、相手の話をもっと聞きたいと思うでしょう。

周りから「変わったね」と言われる
恋をしているとき、ひとりでに表情が輝き出します。人によっては柔らかい雰囲気や優しい表情になるかもしれません。周りの人からも、「最近、いい感じ」「きれいになったね」「何かいいことあったの？」などと言われるかもしれません。

感情の振れ幅が大きくなる
恋をしているとき、誰しも気持ちの浮き沈みが激しくなります。幸せオーラに輝いているときもあれば、急に自分が相手にふさわしいかどうか気になり始め、不安を感じることもあるでしょう。感情の揺れの大きさも恋をしているときの特徴といえるでしょう。

昔から多くの詩人や芸術家、哲学者などが恋愛について語り、名言を残してきました。「本当の恋」について理解を深めてくれる、松尾さんおすすめの言葉５選を紹介します。

「恋は目でなく心で見るもの」　ウイリアム・シェイクスピア
16～17世紀のイギリスの劇作家・詩人であるシェイクスピアの『真夏の夜の夢』より。別な著書の中では「恋は盲目」という名言も残しています。どちらも「恋は理性や常識を超えて人を夢中にさせてくれる大切なもの」ということを思い出させてくれます。

「ひと目ぼれを信じることよ」　サラ・ベルナール
18～19世紀の「ベル・エポック」時代を象徴するフランス出身の舞台女優の言葉。役者として成功しただけでなく恋多き女性として生きた彼女の言葉は、不安や恐れを乗り越えて恋をする勇気を与えてくれます。

「恋人同士のけんかは、恋の更新である」　テレンティウス
紀元前2世紀の共和制ローマ時代の劇作家の言葉。彼氏や彼女とけんかしてしまい気持ちがモヤモヤしているとき、ふたりの関係に新しい見方をくれる言葉です。ぶつかり合いの中でお互いへの恋心や愛が深まるというのは励みになるし、嬉しいですね。

「恋愛に年齢はない。それはいつでも生まれる」　パスカル
17世紀のフランスの哲学者、物理学者、思想家、数学者、発明家、実業家として活躍し、幅広い才能を持つ天才として知られたパスカルの言葉。「いくつになっても恋をあきらめなくていいよ」というすべての年代の人に贈られたステキなメッセージです。

「恋が生まれるには、ほんの少しの希望があれば十分だ」　スタンダール
『恋愛論』を書いた18～19世紀のフランスの小説家の言葉。希望がわずかでもあれば、誰の人生においても恋が生まれる可能性がある。つまり恋をするにはかすかであっても希望の光が不可欠で、恋愛においては前向きになることが大切だということを改めて教えてくれます。

相手のことが好きかどうか分からないときや、最初のときめきが失われて恋愛感情が分からなくなったときにはどうすればいいでしょうか？いくつか対処法を紹介します。

最初の関係を思い出し、ときめくことをする

気持ちが分からなくなったときは、交際相手との最初の出会いを思い出してみましょう。どんなところに惹かれたのか、好きなところはどこかを改めて確認し、一緒に新しいことや楽しいことをしてみましょう。自分がわくわくして笑顔になると、相手もつられて笑顔になるかもしれません。ふたりで一緒に楽しい時間を過ごせるかどうかで、お互いの気持ちを再確認することができるでしょう。

相手軸から自分軸に戻る

恋愛中の人はいつのまにか相手の反応ばかり気にするようになっていたかもしれません。相手を喜ばせたいと思うあまり、自分の気持ちを感じることをおろそかにしていた可能性もあります。そんなときは自分軸に戻って、自分を楽しませることを生活に取り入れることをおすすめします。女性なら秋に新色リップやワンピースを着ておしゃれを楽しむのもステキですね。

「心の温活」もおすすめ

「好き」という感情が最初からよく分からないという人も意外に多いようです。そんな場合は「心の温活」をおすすめします。自分がどんなときにときめいたり、笑顔になったり、幸せを感じるかを確認してみましょう。自分の心が温かくなる瞬間を書き出してリストにするのもいいですね。心の温活をすることで自分の中の好き嫌いが分かりやすくなり、恋の感性も磨かれていくはずです。

「この人と結婚したいかも」と思えるお相手なら、真剣に自分の気持ちと向き合ってみるといいでしょう。また、あまりピンと来ない場合でも、その人に好感が持てるようなら、とりあえず付き合ってみるのもいいかもしれません。

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取材・文／Jun

【監修】
松尾知枝さん
恋愛＆婚活コンサルタント、（株）インプレシャス代表取締役。国際線CAを経て、“合コン総研アナリスト”としてテレビや雑誌に出演。自身の経験と心理学をベースにした自分ブランド構築スクール「Precious　美女塾」を開設。女性の生き方を豊かにする人材開発を行い、全国から受講者が集まるようになり、著書の累計発行部数は10万部以上。セミナー、パーティ開催を通じ、多くの女性に恋愛アドバイス、出会いサポートを行っている。主な著書：『最高の自分で最高の相手をつかまえる！』『1日5分で夢が叶う 日記の魔法』他
公式ブログ：https://ameblo.jp/matsuo-chie/
公式Instagram：https://www.instagram.com/chie_matsuo/